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マイプライベートBL

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☆☆マイ評価の倉庫☆☆   あ行



秋月こお

書籍名:駆け引きのルール
出版社:徳間書店 キャラ文庫
駆け引きのルール 要人警護(3)
内容:
立花美晴はその外見とは裏腹に、凄腕な警視庁警護課のSPである。中東の国アル・イシュタバの外務大臣として日本に訪れたアッジールを美晴は尊敬し愛していたが、肉体関係を持っても恋は成就しないことも知っていた。
アル・イシュタバでクーデターが起こり、アッジールの血縁は殺害されてしまった(特命外交官参照)。残ったアッジールはアル・イシュタバの王として、欧米の軍事を借り逆クーデターを起こす。その手助けを任命された美晴は、命を賭けてアッジールを守る。その美晴に恋する不屈の男・西條剛志はボランティアで美晴の任務を命がけで支援した。
しかし、敵に捕獲された剛志は拷問を受ける。美晴もまた性的な拷問を受けるが、辛くも米軍に救出され、アッジールがアル・イシュタバに入国する姿を米軍のヘリコプターの上で見た。
日本に帰った2人に待っていた任務は、外務大臣・諌山禎子の身辺警護だった。諌山がアメリカ大使館訪問のを終了し門を出ようとした時、爆発が起こる。そのテロで死傷者も出る。
今回、美晴のパートナーは剛志。彼の存在は先の逆クーデターの件で信頼できる。しかし美晴の剛志への気持ちには、まだ微妙だ。簡単に恋に落ちたくなかった。

感想:
要人警護が1作目で、「特命外交官 要人警護2」が2作目です。
美晴と剛志の関係、美晴とアッジールの関係は前作を読まないとわかりにくいかもしれません。
今回ももれなくアクションあり、危険だらけなお話でした。美晴も疲れただろうけど、私も疲れた~

美晴が腑抜けになってしまったのは仕方ないかも。愛するアッジールと別れた上に、すごい緊張状態からまた別の緊張状態に環境が変わっていく。美晴ってかなり繊細な神経のようだし。
でも輪姦されても他人事のように感じてるって、自分たちを守るためとはいえ、「M入ってないけー?」って思いました。これが彼の心の傷にならなければいいけど。って、イヤ、なってますけどね。
剛志の良さに早く気付いて欲しい。こいつ、いいヤツだな。諦めないし、タフだし、けっこう努力するし。
美晴が自己犠牲及び研鑽するたび、心配になります。ま、それだけ命を賭けたお仕事をしてるのだから仕方ないことではありますが。

アッジールって、それほど好きなキャラではなかったので、美晴が諦めてくれて嬉しいです。お話も日本に戻ってきてくれて、わかりやすくなったし、ヨカッタ。アラブのお話はちょっとわかりにくい部分もあったのですよね。
次のお話もあるそうです。今度こそ剛志、行ける?楽しみだぁーーー

評価:B
エッチ度  ☆☆★★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆☆☆★

書籍名:シークレット・ダンジョン
出版社:徳間書店 キャラ文庫
シークレット・ダンジョン
内容:
警視庁SP隊員の立花美晴は、後輩同僚である西條剛志のラブアタックをかわす日々。職場恋愛はご法度なのだ。
仕事はストイックにこなす立花班に、新人SPが3名加わった。立花は外務大臣の警護をしながら、彼らの教育も行わなければならない。しかし今頃の新人達は、自分の立ち位置も考えも甘く、合格点は出せない有様。
そんな新人を抱え外務大臣警護中、テロリストにホテルジャックされた。西條は腹部に銃弾を受け、大臣をはじめVIPたちと共に、立花たちSPも拘束されてしまう。しかし立花の機転で事件は解決するが、仲間のSP隊員の殉職があり、そのことで立花は新人たちに告発されてしまう。
懲戒免職を覚悟した立花は、まだ入院中の西條の部屋を訪れるのだった。

感想:
これよー!これなのよー!!こんなのが読みたかったのよ!!!
もう、感動。この感動は書かずにいられない!
文章が正確なのは当然だし、不要な段落もない。銃器類にはきちんと名前があり、この世界観とリアリティ、それなのにBL。主人公はストイックまでに仕事に全力を注ぎ、エッチは娼婦。
はあぁ・・・おもしろかった。
しばし呆然。

立花が少しずつ、本当にちょっとずつ、剛志に気持ち持っていかれてることを認めてる。剛志だとツーカーの息で動けることを認めてる。
懲戒免職を覚悟しての夜這いは、剛志のためであったけど、立花のためでもあったのかも。仲間の殉職や部下からの告発なんて、脱力ものの出来事だったのだから。

今どきの新人の教育って、ほんと、大変なんだ。立花も言ってたけど指示待ち状態。これホント。自分で判断して動けない。言われるまで気付かない。それで、自己主張だけはする。
この3人の中で高田が残るとは思わなかった。犬養が残るかな、と思っていたので。

公安の査問会議の立花に涙が出た。申し開きをしない。自問自答した答え、自分の判断の甘さを自己告発する潔さに感動。ま、立花がここで自己弁護に終始するとは思えないけどね。でも、彼が自分自身を弁護しない代わりに外務大臣他のそうそうたるメンバーの弁護に涙が出た。
立花の損失はSP部隊の損失なのだろう。

「ホーリーナイト」は剛志視点重視なのだけど、これが、もーワクワクしたゾ。立花の言葉の真意に入浴中に気付いた剛志が犬のように鳴きながらサンダルで走るシーン、目に浮かんだ。嬉しくって1時間走る気持ち、わかるよ。剛志。

そしてそしてホーリーナイトは、もう、よかったネェ。フフフ。
それしか言えん。
友人からセフレ。いつかは恋人に昇格するはず。待ってます!次。

評価:A
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆☆☆

書籍名:暗殺予告
出版社:徳間書店 キャラ文庫

暗殺予告 要人警護(5)

内容:
警視庁のSPに所属する立花美晴は、部下でセフレでもある西條剛志に対する恋心をひた隠し中。外務大臣の警護でハードな毎日を送る。立花が指揮する班に女性のSPが入隊した。生粋のゲイである立花は戸惑いながらも、大原アナスタシア記理子を女性扱いせずに他のメンバーと同等に扱う。
不覚にも、ラリった覚せい剤中毒患者に外務大臣を盾に取られ、立花班は窮地に追い込まれるが、西條のとんでもない所業で無事危機を脱出する。
そんな立花班のドキュメンタリーを撮影したいとTV局が乗りこんできた。不承不承ながら取材を受け入れる立花班の元に「テロリストZ」と名乗る者から暗殺予告状が送られてきた。小馬鹿にしたようなネーミングに本気か嘘か判断しかねながらも、立花は厳戒態勢を取る。何者の仕業か、本当に暗殺を行なうのか、警視庁も立花も迷っていた。

感想:
相変わらずハードな毎日を送りながら文句も言わずよく働く男たちだわ。男くさいところにアナスタシアは「そりゃなかろう~」という存在だったけど、女性のSPは実在するとのことで、ありえんるんだろう。でもでっかいおっぱいに香水つけて髪が長いって、場が違う気もする。立花が気にするのも無理ない。おまけに料理下手でもてなし好きは困ったもので、立花さん、ちょっとお気の毒だった。弁当には私もちょっと嫌悪感が。こういうの好きじゃないな。

今回の立花、お気の毒だらけ。諌山大臣を助けるためとはいえ、エロい声を出させられたり、表題「暗殺予告」では自分の性癖を上司に告白しなけりゃならなくなったり。後者は自分がまいた種とはいえ、とっても居たたまれないだろう。それでも告るとは不屈の精神というべきか、とにかく職場で自己を律することのできる精神は素晴らしい。その反動か、床上手のギャップもすごいけど。

過去に同業人の恋人を失って以来、死別してしまうことへの不安から西條への気持ちを自覚しながら隠し続ける立花は、気持ちとしては理解できるけど、もっと自分の気持ちに素直になればいいのにと毎回思う。西條が立花を失ってしまっても、また、立花が西條を失っても、それぞれの悲しみは同等だと思う。西條はあれだけ立花に恋焦がれてるのだもの。
悲観的になるのは性格だから仕方ないとしても、西條を恋人に昇格させてもいいのではないのかしら。そうなってほしい。多分いつかならないかな。

「暗殺予告」は中座です。次回解決かな?次号待て状態は辛いっす・・・

評価:A
エッチ度  ☆☆☆★★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆☆☆



伊郷ルウ

書籍名:ラブ・テクニシャン!
出版社:プランタン出版 プラチナ文庫
ラブ・テクニシャン!
内容:
岸尾拓耶は23歳だが定職には就いていない。小説家を目指し、バイトで食いつないでいる。コンビにバイトがほとんどだが、時々AVのシナリオも手がけているのだ。拓耶の外見は派手な感じで遊んでいるように見えるが、実は女も、もちろん男とも遊んだことはない。そんなある日、拓耶はゲイのAVのシナリオを手がけることになる。主演の男は田崎孝太郎。拓耶はテクニシャンな彼のことが気になる。そして拓耶は自作シナリオのAVで主演の田崎の相手役をする破目になるのだった。田崎はゲイ専門のAV男優であるが、実はかれの本業はエリートサラリーマンだった。

感想:
拓耶が田崎のことが気になり、AVへ出演する破目に陥るところとか、彼の手練手管に翻弄されていく過程は面白かったです。AVを離れて、コンビニで田崎と再会した後、流されるように田崎について行って彼のマンションでエッチ。話としては面白かった。
田崎がエリートサラリーマンと自身の性癖のギャップを埋めるためにAV男優をするあたりも、いい感じです。

ただ、拓耶が田崎を好きなんだと自覚するところは、ムムム・・・流れとしてはわかるのですが、気持ちの揺れというか、インパクトがなくって、私には物足りなかった。
田崎の盛り上がりようも、なんか私だけ置いてけぼりで、そんなに拓耶が好きだったのねーって感じでした。

評価:C
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆★★★★
ワクワク度 ☆☆★★★




泉美アリナ


書籍名:禁断の花
出版社:雄飛 アイノベルズ

禁断の花

内容:
ヤクザ若頭・九條湊×高校教師・阿久津蓮。
絵画展で蓮は場違いな男に出会う。その男にどうしても声を掛けずにいられなかった。九條は会社の経営者だと名乗った。しかし実は、ヤクザだった。さらに2人には、蓮も知らない関係があった。

感想:
初作家さんである。ヤクザものがお好きらしい。目下ヤクザもの濫読中の私には嬉しい作品。

しかし、実は冒頭では気に入らなかったんだ。
読み始めて3分の1までは退屈で仕方なかった。読むのが勿体なくて進めないのではなく、あまりに退屈で読めなかった。
何が気に入らないかって。
この主人公、何故にこんなに過保護?綿飴のようにくるまれてる。しかも彼自身はそうとう無鉄砲。典型的なBLの受け男クン。
九條との出会いはいきなりの1目惚れだし、蓮を脅すためにレイプしようとするふりをする九條。「ヘンッ」って鼻で笑っちゃうゼ。

などと、私の気に入らない展開だったものだから、文句タラタラ言いながら読んでたんだ。

しかし、この2人、実は初対面フォーリンラブじゃなかったの。これは九條の告白で蓮も知るのだけど、そこら辺から興味がムクムクわいてきた。興味の対象は九條オンリーだけどね。

悪人に徹しきれない九條の性質が読んでいてけっこう辛かった。
特に、話しの大詰め、蓮に言った「九條の家を出ようと思う」という気持ち。これは多分九條組との決別の決意だったはずだ。
親分の謂うがままに跡目を継ごうと覚悟したが、結局実子が存在した、だから自分は身を引いて、次の段階としてこれからの会社のことや蓮との将来設計を自分なりに構築していたのかな、と思う。しかし実際は、実子(九條は養子)が跡を継ぐことを嫌がったために九條が跡目を継がなければならなくなった。そのときの戸惑い、だけど何も言わずに了承する九條が切なかった。

蓮だって悪くはないんだけど、彼はね、いかんせん、私の好みではないです。こういう男、実生活で存在したら身の毛がよだつなぁ。葵のことがあるから家の人も彼のことをものすごく心配してる。確かにそれはそうなんだろうけど、あそこまでスーパー過保護だと、最近の私の感情としてはマイナスに作用して、気持ち悪いまで突っ切ってしまったです。

イラストの稲荷家房之介さん、正面画像が多いな。



評価:C
エッチ度  ☆☆☆★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆★★★★


いとう由貴

書籍名:復讐はため息の調べ
出版社:大洋図書 シャイノベルス
復讐はため息の調べ
内容:
橘道彦には戦中、見捨てた命があった。四角四面な性格故に軍規に従ったこととはいえ。戦後、やっとの思いで復員した道彦に残されたものは、血の繋がらない妹のみ。その妹は疎開での生活が苦しく、肺病を患っていた。彼女を救うべく奔走する道彦。だが誰も手を差し伸べる者はいない。そんな道彦を救済してくれたのは、戦時中、道彦が見捨てた男・成島だった。小馬鹿にした皮肉めいた目で見る成島の本当の目的は、道彦への復讐。成島は妹の面倒を看る代わりに、道彦に成島の男妾になるよう言い渡される。そのことを了承する道彦。痛めつけられるのではなく、快感に震える自分を見せつけられ居たたまれない。関係を強いられ、その中で二人の感情に少しずつ変化が見られた。そんな時、妹の病状が悪化していく。

感想:
最初は好きでした。好きなシチュエーションだったので。
途中まで楽しめました。エッチシーンはスゴエロだし、ユギさんの絵も萌え萌えだし。成島の罠にはまっていかざるを得ない道彦が哀れだと思う反面、もっと痛めつけて欲しい、って思う私がキチク・・・

でも、途中から主人公たちの感情がよくわからなくなったんです。
成島も道彦もお互いに惹かれあっていくのはわかるのだけれど、その感情の変遷がわかりにくい。とくに道彦の感情が見えませんでした。切なさが共有できなかった・・・そこが感情移入できなくて、期待がはずれてしまった感じがします。
妹の存在はまるで「火垂るの墓」のようでした。年はこちらの方が16歳なのでかなり上ですけど。妹とか、肉親は生きる意欲、生活のための生きがいでありえるのですね。彼女の喪失があるからそこ、道彦の孤独が際立つのです。でも、ラストの露骨な愛の表現は、時代背景から考えると、どうも納得が・・・ま、人それぞれだし、孤独な道彦の救いの道が見出せたのだから、それはそれですごくよかったし、複雑です。

何が不満だったかと言いますと、昭和初期の設定なのでそれなりの文章表現がしてはありますが、会話が現代人とそう変わらないのですね。昭和初期を表現する言葉使いとか、文の書き方とかありますよね。そういったことに注意して書いて欲しかったな。BLで書く昭和初期の話し言葉はりうと先生のこゆるぎシリーズなどが参考になるんだけど。太宰とか夏目などの近代文学を参考にするともっといいかも。

とっても期待した作品だったのだけど、普通の感想でごめんなさい。ほとんど斬りっ状態になってしまったゼ。

評価:C
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆★★★★


今泉まさ子

書籍名:エゴイスト・ハザード
出版社:ハイランド ラキアノベルズ
エゴイスト・ハザード
感想:
今季3冊目の秘書ものです。
内容:
社長が病気で入院したためその代行としてアメリカ育ちの甥である近江龍が副社長としてやってきた。しかしその横暴さに女性秘書は全滅。出張中だった小瀧脩一は呼び戻され、龍の秘書にを務めることになった。傲慢不遜な龍に振り回されながらも脩一は完璧に仕切るが、ある日、脩一は昔の男とその上司である社長に強引に3Pを仕掛けらる。そこを龍に助けられるが、今度は龍に強引に押し倒される。2人の体の相性はバッチリだった。

感想:
物語はBLの典型とでもいいましょうか、やり手の副社長とやり手の秘書が最初は反目していたけどエッチして、最後はハッピーエンド、エッチは底なし。
でも、おもしろかったです。オレ様な龍がエロエロでほぼ連日のエッチだそうで、すごぉ。おまけに会社の机でもベルトの音をカチャカチャさせながらやって。物語の中途からエッチ三昧。龍って体力勝負ですなー。脩一がヨロヨロになるのもうなずけます。
おまけに龍は睦言で「お前は売女だ」とか「淫売」だと言うから、脩一は龍の情婦だと思い込んでヘッドハンティングに乗ってしまうのですが、ここら辺のけっこう心理描写についてある程度は書いてあったけど、サラッと流すのではなくもうちょっとだけ深く書いてくれたらよかったのにな。脩一の切ない心情を。あと少し。

他にも、大崎成という龍の友達との会話で脩一は龍への思いを自覚していくのですが、そこもサラッと感がぬぐえません。心の琴線に引っかかる何かを盛り込めれば、もっと印象深くなったのじゃないかな。
何はともあれ、読後感がいい感じです。読んでよかった。

評価:C
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆☆★★★
ワクワク度 ☆☆☆☆★





井村仁美


書籍名:アンバサダーは夜に囁く
出版社:講談社X文庫
アンバサダーは夜に囁く
内容:
大学1年の天羽陸はルティア王国に非常に興味があった。教授の紹介でルティア王国の大使館でアルバイトをはじめる。ある日、大荷物を抱えた陸は見知らぬ男性にぶつかり怒鳴ってしまう。その男はなんとこの大使館のボス・リヴィエール大使だった。出会いは最悪だったけど、知らず知らずリヴィエールに惹かれる陸。互いに惹かれあう気持ちを理解し、体の関係も繋ぐ。しかしリヴィエールには婚約者がいた。苦悩する陸。陸の幼馴染である周防省吾はそんな陸を見てリヴィエールに嫉妬する。

感想:
本の好き好きは本当に好みとしか言いようがない。インスピレーションというか。
読んで「これ、好きだ」と思えば、どんな展開だって好きだし、「なんだこりゃ」と思えば、どんなに素晴らしい展開でも、読んだ個人にとっては面白くも何ともない。

今回この本を手に取ったのは「アンバサダー」とは何だろう?と思ったのと、私にとって初めての作家さんである井村仁美さんの10周年の記念本だったので、「記念本だからきっといいお話なはずだ」と思い込んでしまい、購入となった。

感想冒頭にあれこれと言い訳めいたことを書いてるが、実は、この本、私のストライクゾーンを見事に外している。自分に「何でこの本買ったの?」と疑問だ。

まずもって主人公が好みでない。可愛い男の子で、省吾の庇護下で生きてきた。自分の魅力に気付いておらず、お転婆。うーん、省吾の庇護下にいたこと自体が好みでない。でも、自分で頑張ろうとする気概は陸にはあるのだ。そこは認める。
リヴィエールとの初エッチではBLの王道を行く。その後のレイプまがいでも王道。そうなんだね。これがBLの王道、エッチの王道・・・私の場合、全般に飛ばし読みとなってしまった。
一方リヴィエールはお金持ち(ルティアでは貴族らしい)だし、大使なのに若いし、カッコいい。ずいぶん年下の陸に惚れる。ま、可愛い男の子だから仕方ないか。
架空の国を作り上げるのはすごく好きだけど、恋愛模様は少々使い古された展開という印象だった。マイフェアレディとかプリティウーマンとか。

あとクリスや森という人物が登場するのだけど、彼らの存在意義が不明だ。陸はクリスからリヴィエールの婚約者のことを聞くから、それだけのための人物だったのかな。また、森は陸をいじめてくれる。でもそんなに陰険ではない。しかも最後はいいヤツに昇格してる。省吾もクリスも森も、みんな陸とリヴィエールとの恋愛模様には何の枷にもなっていない。うーん、必要な登場人物に思えないのだよね。2人の周りをクルクル回ってる、といった感じだ。
クリスなど、嫌いなキャラじゃないのだけど、印象が希薄なんだよね。

庇護される受けのお話は好きじゃないけど、ものすごく嫌いというわけでもない。昔、榊原姿保美さんの作品に「雪うさぎ」というのがあったけど、あれは好きだったもんなぁ。

で、最後に「解説」を読んだら、納得した。この作家さんのお話はエンターテイメント、だそうな。そうだったのか!・・・いや、そうだろう。
切ない叙情作品を好む私にはちょっと苦手分野だった・・・
エンターテイメントならもうちょっと壮大なスケールで書いてもよかったかもね。冒頭から事件ドッカンドッカン起こる、そこをスリリングに抜ける2人。ハリウッド仕様に。
でも非常に分厚い本だったけど、結局読めてしまったので、きっと悪くない作品なのだと思う。

アンバサダーって何だろう?回答はこの本では得られなかった。
アバサンダーと勘違いしてた私。しかも、アバサンダーとはトカゲだと思ってた。何故にトカゲかというと、昔やったスクウェアのRPG「ロマンシング・サガ」にアバサンダーとかいう(んにゃ、もしかしたら違うかも・・・)トカゲのような民族が登場しなかったっけ?

評価:D
エッチ度  ☆☆☆★★
感動度   ☆★★★★
ワクワク度 ☆☆☆★★

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